当店のある新潟県上越地域は発酵食品、発酵飲料の歴史が深い地域で、日常にそれらが存在し食文化に根付いております。2004年には日本で初めて「どぶろく特区」の認定を受けた地域でもあります。
そのどぶろくは、昔ながらのコクがあり滋味深い味わいがあり、また一般的なにごり酒(清酒)の特徴は重厚感のあるタイプが多く存在します。
それらとは異なり、舌触りが良くスッキリとした味わいにすることで飲みやすく、お食事とも合わせやすいよう仕上げています。
グラスを鼻に近づけると、乳酸菌飲料のような爽やかな香り、ひとくち含むと舌に絡むなめらかさ、そして後味の酸味といった理想的な調和が取れた味わいです。
お勧めの飲み方は冷酒です。
酒器はワイングラスがおすすめですが、温かみを感じる陶器製の器もお試し頂きたいです。2024年2月14日(水)より発売開始です。
価格は720ml 2,090円(10%税込)です。
今のところ季節限定や数量限定での販売ではありません。
販売は、当店の店頭ほか、通販サイト
■通販サイト
https://kajiyanet.com/products/snowblue-silky
※AmazonやYahoo!ショッピングでもご購入頂けるようになる予定です。
2024年1月12日(金)新潟県上越市柿崎区にある頚城酒造さんにお邪魔し、搾ったばかりの日本酒を手作業で瓶詰めする「直汲み」を行ってきました。
と当日は八恵久比岐の特約店約10名が集まり、1日蔵人としてこの作業を行いました。
時折冷たい雨風が壁を打ち付けるような寒い1日でしたが、この作業を行うには品質保持の面から考えるとベストの日です。
こちらは頚城酒造・吉崎司杜氏です。
酒造りでは大事な寒造りの時期ですので、昨夜は蔵に泊まり、作業をしていたそうです。やはりちょっとお疲れの様子、彼が命を削りうまい酒を造っていると思うと作業を真剣に取り組まなければと思いました。
こちらは蔵人兼農家の岸田健氏。
今日搾るお酒の原料米(酒米)越淡麗の栽培者であり、冬は蔵に入り蔵人として働くお一人です。
自分の作った酒米で、酒を造る。
大変なことも多いと思いますが、ロマンがやはりありますよね!
こちらがこの日搾るお酒です。
櫂(かい)と呼ばれる混ぜる棒を動かすと、
良く考えると、このお酒を仕込んだのは年末頃で、
9時半すぎよりお酒が搾る作業がいよいよスタートです。
まずは先ほどのタンクにあった醪(もろみ)を、ヤブタと言われる自動圧搾機でお酒を搾ります。
それを容器で受けて、ここからが我々の今日のメイン作業です。
私が手作業で瓶詰めしている証拠写真です!
搾ったばかりのお酒を勺ですくい、手作業で瓶詰めするというシンプルな作業ですが、本数があるので結構大変でした。
今日直汲みしたお酒は、ろ過や調整を行っていない無濾過生原酒で
無濾過のお酒は香味が豊かなこともあり最近人気がありますが、
そして生酒なので、
つまりは、今だけしか味わえない、
この直汲みの瓶詰めは、とにかく手間と時間がかかるのですが、
車の運転があったので、
念のため試飲をした蔵人のコメントを聞くとできあがりは上々のよ
この作業はお昼過ぎまで続いたようです。
午前中は瓶詰め作業で、
ラベル貼りは、
ラベル貼りまでやるとさらに想いが入るので本当はやりたかったので残念です。
今日作業したお酒は数量限定で、1月17日より発送を開始します。
多くの方からお召し上がり頂きたいのですが、手作業なので数量はごくわずかです。
良かったらご注文をお待ちしております。
https://kajiyanet.com/products/hakkei-kubiki-junmai-daiginjo-kaze_nama
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#夏青
#高千代
#純米無濾過生酒
#夏酒
#地酒の店かじや
#SAKEDIPLOMA
参加蔵元61場・出品点数120点の頂点に頚城酒造・吉崎司杜氏が選ばれました。
越後杜氏が、他の越後杜氏の日本酒を審査するコンテストでのグランプリ、本当におめでとうございます!
表彰式は今月下旬に行われる予定とのことで、
詳しい結果発表は後日新潟県酒造組合のWebサイトで発表される予定です。
なお、当店では今回の第1位 新潟県知事賞受賞した頚城酒造「越路乃紅梅」ブランドのほか、
同蔵の吉崎杜氏が同じく携わった新潟県内11点の選抜された酒店限定の「八恵久比岐」、そして当店のオリジナル・スノーブルー雪蒼 大吟醸を販売中です。
▼越路乃紅梅(日本酒専門店限定販売)
https://kajiyanet.com/collections/koubai
▼八恵久比岐(新潟県内11店の酒店限定)
https://kajiyanet.com/collections/hakkei-kubiki
▼スノーブルー雪蒼 大吟醸(頚城酒造製造・地酒の店かじやオリジナル日本酒)
https://kajiyanet.com/products/snowblue-daiginjo
※令和4酒造年度とは、2022年7月から2023年6月までの期間をさします。
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○越後流酒造技術選手権大会とは?
新潟県酒造組合及び新潟酒造技術研究会において高級酒造りの技術向上を図ることを目的に
各酒造場の自社醸造の吟醸酒を持ち寄りその酒質を競う大会を毎年開催されています。
吟醸酒(出品用の大吟醸)がその審査の対象で、酒造りのプロである杜氏さん同士が、
お互いの今期酒造年度のお酒を審査をするという極めてハイレベルなコンテストになります。
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2023年1月23日(月)に蔵元に伺い、搾った直後のお酒をその場で瓶詰めする「直汲み(じかぐみ)」と、そのお酒の瓶にラベル貼りをする貴重な体験をしてきました。
結論から言いますと、出来上がったお酒はもう期待通り、うまい!うまい!うまい!と言いたくなる味わいでした。
]]>2023年1月23日(月)に蔵元に伺い、搾った直後のお酒をその場で瓶詰めする「直汲み(じかぐみ)」と、そのお酒の瓶にラベル貼りをする貴重な体験をしてきました。
結論から言いますと、出来上がったお酒はもう期待通り、うまい!うまい!うまい!と言いたくなる味わいでした。
今回は特約店の店主が蔵元に集まり、出来上がったばかりの、しぼりたての新酒をその場ですぐに手作業で瓶詰めするという「直汲み」を行いました。
通常は機械を通して瓶詰めを行うのが一般的ですが、お酒を飲んでくださる皆様に、できたての特別な味わいをすぐ楽しんで頂きたく頑張りました。
当日は朝9時半から蔵人となり、搾ったばかりの新酒の瓶詰め作業です。
タンクからお酒を搾る”ヤブタ”と言われる機械をつなぎ、出たばかりの新酒を容器に移します。
それを手作業で瓶に詰める単純な作業ですが、間違いなく定量720mlを入れるため気が抜けません。
瓶詰め後は直ちにキャップを打詮をしていきます。
直汲みしたお酒は、ろ過や調整を行っていない無濾過生原酒です。
無濾過のお酒は香味が豊かなこともあり最近人気がありますが、搾ったままのいわゆる”すっぴん”のお酒でもありますので、蔵元の酒造りの技量や品質が分かってしまうという部分もあります。
そして生酒なので、一般の火入れ酒に比べて味わいの変化が早いのも特徴です。
つまりは、今だけしか味わえない、寒造り真っ只中の旬のお酒ということですね。
この瓶詰め作業はお昼前まで続き、無事に詰め終わることが出来ました。
お昼は蔵元の中で特別なお料理を頂くことに。
「泡汁(あわじる)」と言われる、醸造中の醪(もろみ)で沸き立つ泡で、それをお汁に入れたものです。
泡のうまみが何とも言えず、おかわりを頂きました。
ただ、醸造中のお酒の一部のため酒税が関係しますので、実は蔵元の場内でしか味わえない特別な一品なのです。
そして、このお汁は地元料理店からの差し入れで、丁寧に下処理された地元産のイノシシの肉が入っていました。
臭みがなく上品な脂で美味しかったです。
午後は、場所を変えてラベル貼りの作業です。
機械でラベルを貼ることが一般的ですが、八恵久比岐のラベルは全て「手貼り」です。
ラベルは活版印刷の技術を応用して作られており、光にかざすと透けて見える特注品です。
表ラベルと裏ラベルをそれぞれ手作業で貼るのは、曲がらないようにとなかなか気を使います。
あと、瓶に入ったお酒が冷えているので、手先からその冷たさがダイレクトにきますので、終えた後は指先の感覚がマヒしていました。
今回のお酒は当店では720ml 60本限定です。
全部私が瓶詰めとラベル貼りをいたしました。
出来たてのお酒を皆様に味わって頂きたいので、手書きでメッセージと、シリアル番号を裏ラベルに入れております。
夕方までに作業を終え、自分で詰めたお酒を持って帰ってきましたので、報告を兼ねてその日の夕食に早速1本を開けて、家族で飲みました。
自分が実際に汲んできたのもあると思いますが、もう美味しくて、美味しくて…
気付けばついつい飲み過ぎてしまい、疲れも出たせいか、20時には就寝となりました(笑)
今回は酒造りの現場に入り、蔵人の仕事を体験させて頂きました。
皆様の元に美味しいお酒が届くまでの過程を見ることが出来たこと、
そして蔵の皆さんが想いを込めて酒造りをしていることが改めてよく分かりました。
↑蔵人であり、このお酒の原料米の農家でもある、岸田さん(左)と、松崎さん(右)と記念撮影もさせて頂きました。
最近は、農家さんが冬に蔵人として働くケースは少なくなっていますが、自分で作った米で、酒造りをする一貫した流れは、やはり想いが入りますので、出来上がるお酒の味にプラスになると思います。
酒造りの現場を見せて頂くことは本当に勉強になりますし、私の想いも込めて皆様にご紹介出来るなと感じております。
今年はこういったお酒のご紹介が増やせるようしていきたいと思っておりますのでぜひご期待頂ければ幸いです。
今回搾って直汲みしてきたお酒はこちらから
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三増酒の正式名称は「三倍増醸清酒」で、太平洋戦争前後の米不足の時代に、醸造した日本酒にさらに2倍の醸造アルコールを足し、結果的に3倍の量の酒を造ることからそう名付けられたそうです。
戦時中に仕方なしで造られたお酒でしたが、戦後もずいぶん長い間造られました。
それは一般の方が飲むアルコール類の中心が日本酒で、何もしなくても飛ぶように売れていた背景があります。
そのため、本来は緊急時に造ったもののはずが、儲けのために造られるようになり、醸造アルコールを大量に加え、薄くてまずいお金儲けのために売るという、過去の日本酒業界には負の側面がありました。
醸造アルコールを大量に足すと薄くなるので、甘みを補うために糖類や酸味料を添加したりもしておりました。
これがいわゆる「べたべたした甘いお酒」で、まずいお酒の代名詞にもなりました。
そんな日本酒を初めて飲んだ人が悪い印象を持つのは当たり前で、しかも大量に飲んでひどい失敗をしたら尚更ですよね。
それが日本酒を敬遠するきっかけになったり、日本酒好きになったとしても醸造アルコールが入ったお酒は一切ダメだという発想になったりしたのです。
ただ、現在は2006年に制定された酒税法で、それらの三増酒は「清酒」として認められず、リキュール類や雑酒に分類されるため、三増酒の日本酒(清酒)はもう存在しません。
また、昔の名残や味わいを守るため、糖類が添加された普通酒もありますが、酒税法の規定の範囲内で、醸造アルコールの添加を含め、皆さんが想像するよりもはるかに少量しか使用されておりません。
また、ネット上にはまだまだ古い情報や、あのお酒が三増酒だと決めつけたような間違って書かれた情報も多く、それを信じてしまう方もいらっしゃいます。
現在の日本酒事情では三増酒は存在せず、日本酒を飲んで二日酔いや悪酔いになるのは、単純に「飲み過ぎ」ただけ、が主な原因です。
日本酒はビールやチューハイなどと比べるとアルコール度数が高い飲料です。
おおよそ15度~18度あるのですが、飲み口が良いので、ついつい…飲み過ぎてしまう傾向があります。
そんな方には「やわらぎ水」がおすすめ!
悪酔いすることなく、日本酒は楽しく飲んで頂くのが、私ども売り手からの願いです。
]]>日本では大きく分けて「軟水」と「硬水」の地域があり、その水質によって酒造りにどう影響するのか?今回はお伝えします。
まず、当店のある新潟の蔵元で使用する仕込み水はほとんどが「軟水」です。
これは雪どけ水由来の水を使用しているためで、ミネラル分が比較的少ないのが特徴です。
軟水を使用した酒造りでは、醗酵(はっこう)が緩やかに進む特性があり、醗酵中の温度管理を中心に、醗酵が停滞しないように高度な技術が必要とされます。
なお、軟水で仕込んだお酒は軽く、なめらかでスッキリとした味になる傾向があります。
一方で関西を中心とした地域の蔵元では、硬水を使用する蔵元があります。
硬水は軟水での仕込みに比べ醗酵(はっこう)が盛んに進むため、醸造の失敗が少ないとされます。
お酒の味わいは、やや味のあるタイプとなり、別名「灘(なだ)の男酒」と呼ばれたりします。
それに対し、中硬水を使用する伏見地区のお酒は「伏見の女酒」と言われているそうです。
日本酒の約8割は水分ですので、お酒の味は水で決まる部分が多いのかもしれません。
ちなみに日本酒を作る際は、製造する日本酒の量に対して、総量で20~30倍ほどの水が必要とっされております。
食品などの製造でも水は多く使用されておりますが、水質基準は最低でも水道水の基準を守る必要があるなか、醸造用水はさらに厳しい基準をクリアしなければ、仕込み水として使用することが出来ません。
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夏になると日本酒が重く感じたり、イマイチ進まないなと感じたことがございませんか?
日本酒が好きなまさか!酒店のふみ店長の例外ではありません。
冷酒よりもビールやサワーなどが進む時期であるのは間違いないと思いますが、それでも夏に日本酒を楽しんで頂きたいので、簡単に作れるカクテルをおすすめします!
簡単に作れる日本酒カクテルは、「日本酒のサイダー割り」です。
良く冷やした日本酒と、サイダーなどの透明な炭酸飲料を5:5の割合で混ぜるだけです。
爽快さが増し、サイダーのほのかな甘みが日本酒の味わいとマッチします。
また、炭酸割りをおすすめすることもありますが、炭酸だと日本酒が薄くなったような味わいになることが多く、それよりもサイダーやスプライトといった甘みのついた炭酸飲料の方が断然美味しいです。
注意があるとすれば、飲み口がとても良くなるので、飲み過ぎ注意です!
日本酒の味わいが重く感じてしまう夏にぜひお試しください。
]]>その香りの正体は「カプロン酸エチル」「酢酸イソアミル」やなどの成分で、実はりんごやメロン、バナナなどの果物にも含まれているので、フルーティな香りがするのです。
では、米からできた日本酒で、なぜ吟醸香が発生するのか?
その秘密は日本酒の「醗酵(はっこう)」にあります。
日本酒は酵母の醗酵によってアルコールが生成されますが、ある条件下でアルコール醗酵を行うと吟醸香の元となる「高級アルコール属」が生成されるのです。
その条件とは、まず精米歩合を高めたお米を「低温」で醗酵させることが重要とのこと。
精米歩合を高める(=よりお米の中心を使用する)と、酵母がアルコール発酵を行うため栄養素が少なくなり、高級アルコール属が発生しやすくなるそうです。
そして低温で時間をかけ発酵させることで、アルコールの揮発性が下がり香りの成分が飛ばず、もろみの中に残りやすくなり、結果しぼったお酒に吟醸香が出てくるのです。
また、例えば精米歩合40%と同じお酒において、醸造アルコールを添加する大吟醸酒と添加しない純米大吟醸では、大吟醸酒の方が吟醸香が強くなる傾向があります。
これは醸造アルコールがフルーティな香りをもろみから引き出す作用があると言われ、味に爽快さを出す役目とともに決められた範囲で使用されています。
それなので、品評会などコンテストなどに出品されるインパクト重視の出品酒は、大吟醸タイプが多いと言われています。
ただし、最近では吟醸香の発生しやすい酵母も造られているので、単純に精米歩合高めなくとも、それらの酵母を使用することによりフルーティーな香りの日本酒を造りやすくなっているそうです。
最後に、店長の個人考えとしては、吟醸香はあまり強くない方が良いと思っています。
吟醸香があると最初のインパクトはありますが、その後飲み進めると香りが鼻に付くようになったり、一緒に食べるお料理などの風味の邪魔になったりしてしまうのがその理由です。
本醸造や純米酒を食事と一緒に飲んでもお料理の邪魔をせず飽きません。
そう、何事も「適度」が大事なのかもしれませんね。
]]>醸造酒とは、米や麦、ぶどうなどの原料を発酵させて造ったお酒です。
ワインの場合はぶどうに含まれる糖によって発酵を行い、日本酒の場合は米だけでは糖がなく発酵できないので、米から麹を造り、麹の糖分を用いて酵母が発酵を行います。
この発酵を行うことにより、アルコールが精製されお酒になります。
ちなみに、これらの醸造酒を蒸留し、アルコール度数を高めたものがウィスキーや焼酎などの「蒸留酒」です。
それぞれの工程で単純に発酵や蒸留するだけではなく、その他の工程もあるので完全には上記の通りと言い切れない部分もありますが、原料を発酵させアルコールを生成するのが醸造酒で、醸造してできたお酒を蒸留するのが蒸留酒であると、大まかにイメージして頂ければと良いかと思います。
]]>通の間でも知られる日本酒は、開栓した2日目以降がさらに美味しいというお話しがありますが、実際に試してみると確かにそうです。
2日目以降になると、飲んだ分だけ瓶の中に空気の層が増えてきます。その空気と日本酒が空気に触れることにより、隠れていた香味が花開くためと言われております。
またその日のうちに変化を楽しみたいならば、開栓後少し飲んで瓶の中に空気の層が出来たなら、もう一度蓋を閉めて瓶を振って、瓶の中の空気と混ぜて飲んでもその効果が分かります。
こんな話を以前酒屋を経営されていた方にお話ししたら、安いパック入のワインをミキサーにかけてから飲むと、まるで高級ワインのような深みが出てくるよ…と、試してみたら、なるほど!です。
確かに風味が増し、パック入りのテーブルワインとは思えない適度な深みが出てきます。(ただ、どう頑張っても本物の高級ワインにはかないませんのでその点はご了承くださいね)
日本酒もワインも同じ醸造酒の仲間。日本酒をミキサーにかけ空気と混ぜることを試してみる価値があるかもしれませんね。
ミキサーにかけると美味しくなると言われても、ミキサーにかけるのは勇気もいるし、ミキサーが手元に無いという方は、ワイングラスを用意してください。
ワインソムリエが良く行う、グラスの中のワインと空気を触れさせる「スワリング」をご紹介します。
これなら少量の日本酒やワインで試せますね!
※冷蔵庫から出してからしばらく経過した後の少し温度が上がった頃が香りの変化が分かりやすいです。
日本酒とワインでスワリングをすると、比較的ワインの方が変化が分かりやすいかなと個人的には感じます。
楽しみ方の1つとしてぜひお試しください
日本酒業界では当たり前に行われるお酒の味わいをチェックする「きき酒」ですが、口の中で「じゅるじゅる」と音を立てて味を確認しているきき酒のシーンを見たことがある方も多いと思います。
口の中でお酒と空気を触れさせる時に発生する音でありまして、スワリングを口の中でやると思って頂ければわかりやすいかな。
きき酒は大事な香味を確認する行為ですが、知らない方が見るとちょっと下品な飲み方にも見えてしまいますねぇ…
業界の皆さんはそれは重々承知しているのですが、日本酒を口に含むと、ついついクセが出てしまう。。。
居酒屋などで「じゅるじゅる」と音を立てて日本酒を飲む人が居たら、その人はほぼ日本酒業界の人だと思ってもらっても良いかもしれません(笑)
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最近、日本酒のラベルにも表記が多くなった「平成○○BY」という文字。BYというのは、Brewery Yearの略で、酒造年度のことです。
日本酒の酒造年度は、毎年7月1日から翌年6月30日までを1年としていますが、そのそもなぜこのような中途半端な時期に区切りを持ってきたのでしょうか。
通常「年度」といえば、4月1日から翌年3月31日までですが、日本酒造りに当てはめると少々不便が生じたためのようです。それは、酒造りといえば通常は秋から冬にかけて行われますが、明治頃から、蔵元によっては、更に4月や5月まで酒造りが行われるようになりました。(最近は6月までや、年間を通しての”四季醸造”もあります)
通常の年度や会計年度で考えると、4月以降の酒は翌年度へ持ち越す必要があり、酒税を計算する上では、お酒の製造量に基づく必要があるため、明治29年に10月1日から翌年9月30日までを酒造年度として定められたそうです。
当時は、秋に収穫したお米で10月から酒造りに入ること、また季節労働者に頼る酒造りが主で、入蔵する時期と一致することからも、10月の始まりがちょうど良かったようです。
しかし、これもまた不都合が生じてきます。醸造技術の発達や、早生米(早く収穫できるお米)で、10月よりも前に酒造りを行う蔵元が多くなってきたことから、昭和40年に国税庁の通達で、酒造年度を7月から翌年6月までにすることに改められたということです。
この酒造年度期間中に出来たお酒(出荷されたお酒)を「新酒」といい、厳密に言うと次の7月1日以降には「古酒」になります。ただ、一般的に言われる古酒とは数年寝かせたお酒のことを指しますし、貯蔵環境が整った現代では、氷温貯蔵などにより、新酒の風味を長期間維持することも可能となりました。
10月1日は「日本酒の日」です。
最近ご存じの方が多くなってきましたが、なぜ?10月1日が日本酒の日であるかは、これまでの話の流れでピンとくる方も多いでしょうか。
明治後半から昭和中期までの酒造年度スタートの日が10月1日であり、蔵元ではこの日を「酒造元旦」などとしてお祝いしてきた歴史があります。その流れを汲んで昭和53年に、日本酒造組合中央会がこの日を日本酒の日に制定しました。
そういえばもう一つ10月が日本酒と深く関わりそうな話題もあります。
「酒」という文字の右側「酉」は、干支で言うと10番目のとり年。
さらには「酉」は象形文字の意味するお酒や調味料などを入れる瓶(かめ)のことということで、日本酒の他にも、発酵で出来上がる醤油も10月1日が醤油の日のようです。
]]>寒造りとは、最も酒造りに適しているといわれている12月~翌年2月頃までの寒い季節に酒造りを行うことを言います。
なぜこの季節が酒つくりに向いているかというと、寒いことで雑菌が繁殖しにくい時期であることが第一に上げられます。
江戸時代に寒造りが確立されたと言われ、計器類が無い時代に杜氏をはじめとする蔵人は、発酵状態のよって変わる香りや味、肌に感じる温度変化などを頼りに、とぎすまされた感覚によって把握し、複雑な酒造りに対応してきたと言われております。
その酒造り工程で重要な醗酵において、一定期間の低温状態が必要とされ、醗酵途中の温度管理の観点からも冬の気候がまさに最適な環境であると言えます。
新潟の酒造りで用いる仕込み水の多くは「軟水」が使用され、硬水に比べ発酵状態が穏やかのため、長期低温発酵の技術が必要になります。
新潟に降る雪は住む人間にとってはやっかいな存在ではありますが、空気中のチリや微粒子を包み込み、空気がクリーンな状態になると言われており、醸造中の衛生面からも冬の厳しい寒さと降り続く雪はメリットがあるようです。
近年は大手の酒造蔵で年間を通して温度管理が出来る設備が整えられ、1年を通して酒造りが行われる「四季醸造」も可能となりました。
ただ、中小の蔵元ではその設備投資も難しいのが現実であり、一番美味しい酒が造られる時期=寒造りの時期に、大吟醸酒などその蔵元で一番の酒造りが行われます。
このような理由からその年1番のお酒造りは寒い時期に行われるのです。
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日本酒は氷温から 55 度以上の飛び切り燗という熱々の温度まで、幅広い温度帯で楽しめるお酒です。
これは世界的に見ても珍しく、お酒でこの幅広い温度帯をカバーできるのは恐らく日本酒だけかもしれません。
ホットワインやカクテル、焼酎のお湯割りなどもあるじゃない?とお思いの方もいらっしゃると思いますが、これらは何かを混ぜたり、割ったりしているので、単体のお酒を温めただけではありません。
もちろんそれぞれの日本酒にも美味しく感じ適した温度帯があるのはもちろんですが、全体的に見ると日本酒の懐の深さを感じますよね。
さて、その温度帯。実は5度刻みでそれぞれに”呼び名”があるのです。
表にすると常温からの温度の呼び名は7種類。
さらには氷温に向かって3種類あり、なかなか覚えられませんよね。
でもお燗酒なら「ぬる燗40度」「上燗45度」「熱燗50度」の3つを覚えて頂けたら十分だと思います。
居酒屋さんなどで「熱燗お願い」というとお燗酒が普通に出てくるかと思いますが、実は熱燗の定義は、50度くらい。日本酒の飲用温度としては結構高めです。
お勧めは「上燗(じょうかん)」と呼ばれる45度くらい。日本酒が持つ香りが引き立ちつつ、味わいにやわらかさと引き締まりのバランスがちょうど良い温度帯です。
一般的に温度を上げると香りと味わいが引き締まり「辛口」に感じます。
シャープな辛口に感じてしまうくらい温度の影響を受けます。
これを踏まえて、もし好みの味わいでなかった日本酒の温度を変えて飲むことで、「あ!いいかも」ということになる可能性もあり、一つの楽しみ方としておすすめします。
フルーティな香りが特徴の大吟醸酒や出来たばかりの生酒はお燗にしてはダメ!と言われることがありますが、ダメと言うことではありません。
それらのお酒はお燗にしない方が無難なケースが多いためであり、楽しみ方としては実はアリの場合もあるのです。
例えばフルーティな香りが特徴の大吟醸酒をお燗にする場合のコツは、温度を上げすぎないことです。
35度くらいの「人肌燗(ひとはだかん)」から40度くらいの「ぬる燗」が個人的には良いような気がします。
冷酒で飲んだときとは違い、口当たりのやわらかさを感じ、なおかつ隠れていた香りが顔を出し始める温度帯です。
ただし、それがベストな温度帯かと言われると、好みが出てくるので、いろいろな温度帯を飲んで味わいの変化をまずは楽しんで頂くのが良いかと思います。
大吟醸酒でも数年寝かせた古酒であると、ぬる燗が意外に良かったりと、同じ大吟醸酒でも味わいに違いが出るのが日本酒の奥深さです。
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その違いは明確に決められていますが、ご存じない方が多いはず。
この違いが分かると、日本酒選びもきっと楽しくなりますよ♪
原酒は、搾った日本酒を水で割らない
搾った直後のお酒は、アルコール度数が20度くらいあります。これに水を加え調整することを「加水調整」と言い、飲みやすいアルコール度数である15度前後に調整するためにこの作業を行います。
生酒は、搾ったお酒を熱処理しない
生酒は、お酒を搾っても酵母が活動を止めていないので、味わいや品質が徐々に変化する可能性があるため低温での温度管理が必要になります。
生酒と間違いやすいので、まとめると
さらにこの2点のどちらもしないものを生酒+原酒=生原酒(なまげんしゅ)と呼びます。
秋から冬にかけては、日本酒の製造が最盛期を迎えますので、この頃に出る生原酒は、出来たて・しぼりたての新酒として登場します。
■「生」がつくけど、生じゃない?
生酒とは醪(もろみ)を搾った後に一切の加熱処理しないお酒です。
この加熱処理のことを日本酒業界では「火入れ(ひいれ)」と呼びます。
加水調整を行ったり、醸造アルコールを添加しても、この火入れさえしなければ「生酒」となります。
生酒は文字通り生のお酒ですので、温度による劣化を招きやすく、通常は要冷蔵商品となります。
また、搾ったあとすぐのしぼりたて・生酒と、一定期間冷蔵または氷温保管された貯蔵・生酒の味わいは全く違うものとなります。
似たような言葉で「生貯蔵酒」「生詰酒」などがありますが、こちらは最低1回の火入れ(加熱処理)を行っているので、生酒ではありません。
「生」がつく日本酒は、以上とおり3種類もあるのですが、その違いを押さえましょう。
■生詰酒と生貯蔵酒の違いとは…
生詰酒(なまづめしゅ)は、酒を搾った後、貯蔵前に火入れを行い、出荷時(瓶詰め時)には火入れを行わない酒を指します。
通常日本酒は搾った後、貯蔵前と出荷時の2度火入れを行いますが、生詰酒はお酒を搾った後、貯蔵前の1度のみです。
代表的な生詰酒は、各蔵元から秋ごろ出荷される「ひやおろし」がそれに当たります。
ただし、ひやおろし=生詰酒 とすべて言い切れないので、ラベル表記をよく見る必要があります。
そして、混同しやすいのが、生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)です。
こちらは搾った酒を火入れせず、生酒のまま貯蔵し、出荷時(瓶詰め時)に一度火入れを行うタイプの酒をいいます。
文字通り「生」で「貯蔵した」お酒で、生酒の風味を残す製法で、酒質も冷酒向きの酒となります。通称:なまちょ(生貯)とも言われますね。
■「生」がつくお酒のまとめ
・生酒
一切の加熱処理を行わないお酒 通称「生・生(なまなま)」とも言われます。
・生詰酒
貯蔵前に加熱処理を1度だけ行う。出荷時には行わない。
・生貯蔵酒
生酒で貯蔵したお酒を、出荷時(瓶詰め時)に1度だけ加熱処理を行う。
生酒は冷蔵で貯蔵しても酒質の変化が比較的早いので、昔から火入れという作業を行うことにより、その変化の速度を遅らせ、生の風味を残すお酒として生詰酒、生貯蔵酒があります。
ただ、生がつくから=美味しい日本酒とは限りません。
2度火入れを行う通常の日本酒は、貯蔵することにより適度な熟成と落ち着いた味わいになり、温度による変化も比較的受けにくい=常温管理が出来るのが大きなメリットです。
また、同じタンクからうまれた日本酒でも、これらの貯蔵や製法の違いで、お酒の味わいが異なりますのでこの違いを押さえておいて頂ければ幸いです。
]]>初心者でも簡単な使い方の一例を紹介します。
魚の臭み取りは、「塩」と「日本酒」です。
あらかじめ塩を振り、臭みの元となる水分を出して、さっと洗ってから魚を焼き、仕上がり直前に酒を塗り焼き上げます。日本酒の効果で、魚の臭みも取れ、ふっくらと香りよい焼き魚になります。
大さじ1杯くらいの日本酒を振りかけ、よくかき混ぜてから再度炊くと、程よい水分をもった美味しいご飯に復活します。
また、冷やご飯や冷凍ご飯に日本酒を振りかけ、レンジで温めると、炊きたてのようになりますよ。
料理酒とは、日本酒に2~3%の塩を加えたものです。
海水が約3%の塩分濃度なので、そのしょっぱい塩加減が想像できますね。
なぜ塩を入れるかというと、塩を入れることで飲めなくなる=日本酒では無くなる=酒税がかからない=酒類の販売免許を持たない業者が販売出来るようになる。
ということで料理酒は生まれた背景があります。
現在では規制緩和によって酒類の販売はスーパーやコンビニエンスストアでも当たり前のようになっていますが、規制緩和以前は厳しい許可制度があり、免許を持たないお店は酒類の販売が一切出来ませんでした。
料理酒は酒税がかからないので安価に購入できる、比較的手軽にお料理のコクやうまみを出すメリットがありますが、塩がすでに入っているので使用する量に注意が必要な場合があります。
対して日本酒は、単純にお料理の隠し味や、臭みを消すなどの下処理に使用することが出来るので、塩分などを気にする必要がありません。
使用するシーンによって料理酒と日本酒を使い分けたいですね。
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これを通称「蛇の目」と呼び、そこに描かれた二つの丸がまるで蛇の目のように見えるから…とか。
今回はこの蛇の目お猪口にクローズアップしてみます。
蛇の目お猪口には様々なサイズがございますが、本職の蔵人が使用するのは一合(180ml)入る「本きき猪口」を使用します。これについてはまた後ほど解説しますが、通常皆さんがお持ちのサイズは三勺(約54ml)や五勺(約90ml)のサイズかと思います。
ただ、サイズが違っても、デザインはほぼ同じ二重の青(藍)色の丸が描かれたものです。
デザインとしては和の雰囲気があるような気もしますが…
さて、なぜ青い丸が描かれているのでしょうか?
ズバリ!上の中見出しのタイトルのとおりですが、日本酒の透明度や着色の様子を確認するために、この青い丸が描かれているのです。
でも、なぜ青い色?…と思いませんか?
それは、色相に関係していると私は思っております。
色の専門家ではないので、詳しくここでは説明しませんが、上記の円を「色相環」と言うそうで、反対側にある色同士を「補色」の関係にあると言うそうです。補色の色同士はそれぞれの色を引き立てる効果があり、デザインや写真などの分野では当たり前のことのようです(専門家では無いので、これ以上は分かりません)
この図を踏まえていくと、青色の反対側は、黄色ですよね。
つまり、蛇の目の青い色は、黄色を引き立たせるためにあると考えられます。
日本酒に話を戻します。
日本酒の色は透明であるイメージが強いですが、実はやや黄みがかった色であります。特に純米酒などは、山吹色とも呼ばれる黄色が比較的強めに出る傾向かあります。
つまりは、この黄色を目立たせるために、白と青のそれぞれの色を用いて、日本酒の透明度や色の付き方など、確認(検査)するために、この青色の蛇の目は存在するということです。
きき酒は、舌の感覚だけではなく、視覚も重要であるということが分かりますね。
日本酒は熟成が進むと、どのタイプの日本酒も黄色が強くなる傾向があり、黄みがかった透明な色、イコール劣化しているのでは?との先入観を持ってしまいがちですが、先に説明したとおり、純米酒などは黄色が強くでる傾向がありますので、黄色=劣化とすぐに結びつけるのは間違いです。
日本酒の鑑定を行う人や、杜氏をはじめとした蔵人がきき酒を行う際は、この色による先入観を排除する目的で、アンバーグラスと呼ばれる黄色系のグラスにお酒を注いで、味や香りで判断する方法も用いられるようです。
さらに昔は、きき猪口の中を黄色に塗った専用の猪口もあったそうで、色のインパクトは強く、それだけで判断をしないようにしていたのですね。
そして今では青い二重丸の蛇の目お猪口ではなく、ニコちゃんマークのようなスマイルデザインのお猪口も存在します。
今回は蛇の目お猪口についてクローズアップしてみましたが、いかがだったでしょうか。
蛇の目お猪口の本当の使い方、周りにもぜひ広めてくださいね。
]]>玄米の状態を100%とし、削った後の米本体のパーセンテージを示します。
例えば、精米歩合55%は45%を磨いた(精米した)ということです。
その磨いた45%のゆくえは、外側に近い「ぬか」と呼ばれる部分はぬか漬けの原料となったり、上質な飼料になるそうです。また、中心に近い部分はいわゆる「米粉」として飲食店や米菓などのメーカーに渡るようです。
ちなみに普段食べている主食用のお米・米飯用は90~92%ほどです。
お米の表層部には多くのたんぱく質や脂肪などが含まれています。
それらが多すぎるとお酒の味や香りが悪くなってしまうので、削ることにより成分を少なくし、より雑味のない味わいを追求する吟醸酒のために必要な工程となります。
精米歩合が低いほど贅沢なお酒となるわけですが、その分多くのお米(お米の粒の数)が必要になるので、それにともないお酒自体の価格も高くなります。
日本酒の甘口・辛口を判断する一応の数値です。
「日本酒度計」といわれる比重計で、水を±0として、これに対する日本酒の比重を測定します。
液温を15度に合わせ、糖分を中心とするエキス成分が多いほど重くなりマイナス方向に、少ないほど軽くなりプラス方向になります。
つまり、甘口はマイナス、辛口はプラスとなるわけです。
しかし、お酒の味は複雑でこの数値だけでは判断できません。
あくまで目安であり、次に紹介する酸度なども味わいに深く関わってきます。
日本酒に含まれる乳酸、コハク酸、リンゴ酸等の量を示します。
酸はお酒の旨みやコク、キレに影響します。
多いから単純に酸っぱいというわけでなく、適度な酸は、特に後味を引き締めます。
また、酸の量が多いと味が濃く感じられ、逆に少ないと薄く感じられるようになります。
日本酒度と共に味わいを判断する目安の数値です。
他にも様々な日本酒のスペック(成分値など)に関する専門用語はありますが、まずはこの3つの言葉「精米歩合・日本酒度・酸度」だけでも分かると日本酒の世界が広がるようになります。
本醸造以上の特定名称酒と呼ばれるお酒のラベルには、精米歩合を表記することが酒税法で義務づけられています。
日本酒度や酸度は、お店でお酒を購入する際に情報を公開している酒屋さんが多くありますし、居酒屋などでもその情報をメニューに書いてあるところもあるので、日本酒選びの一つの目安としてぜひ知っておいてくださいね!
]]>日本酒は常温管理できる商品がほとんどでありますが、ちょっとしたコツでさらに美味しく飲んで頂ける期間が延びるんです。
日本国内で販売される酒類(アルコール飲料)に賞味期限はあると言えばあるようで、記載が省略されているのが実情のようです。
酒類の管轄を行う国税庁のHPには以下の記載がございます。
Q6 お酒に賞味期限はないのですか。また、表示しなくてよいのですか。
A 酒類については、他の食品と同様に、その製造工程から最終製品として販売されるまで、食品衛生法の適用を受けることになります。
食品衛生法では、食品について、消費期限又は賞味期限をその容器又は包装に見やすく表示することとされていますが、酒類については、その期限の表示を省略することができることとなっています。
なお、保存方法に注意を要する酒類については、「清酒の製法品質表示基準」(平成元年11月国税庁告示)や公正競争規約において下表のように、賞味期限や保存上の注意事項等を表示することになっています。
また、業界の自主基準等により、賞味期限等を表示することとしているものもあります。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/qa/11/43.htm
また、酒類には製造年月を記載することを義務づけられていますので、必ず記載があります。
ロ 表示基準3の(2)「製造時期」について
(イ) 特定名称の清酒であって、容器に充てんし冷蔵等特別な貯蔵をした上で販売するものについては、その貯蔵を終了し販売する目的をもって製品化した日を製造時期として取り扱う。
(ロ) 製造時期の表示については、「製造年月」の文字の後に続けて製造時期を表示するものであるから留意する。
なお、容器の容量が 300以下である場合及び容器の形態からみて「製造年月」の文字を表示することが困難である場合には、「年月」の文字を省略しても差し支えない。(注) 賞味期限を表示する場合には、その期限の設定、表示方法等については、食品衛生法の規定の適用を受けるものであるから留意する。
なお、賞味期限を表示した場合であっても、製造時期の表示は省略できないのであるから留意する。https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sake/8-09a.htm
日本酒には生酒と火入れ酒(熱殺菌済み)の2種類がございます。
この違いは明確で、熱殺菌しているか、していないかです。
生酒は熱殺菌を行っていないので「生」であり、そのほかの日本酒は熱殺菌の回数は異なりますが、「火入れ」と呼ばれるその作業を必ず行っています。
生酒は、フレッシュ感がありフルーティな特徴がありますが、酵母などがお酒の中で活きた状態なので、酒質の変化が早いのが特徴です。
そのため、美味しい味わいのピークをすぐに迎えてしまう可能性があり、味わいが劣化する速度も速いです。
火入れ酒は、貯蔵方法などにより熱殺菌の回数や方法が異なります。
酵母の働きやお酒の熟成の安全性を高める狙いがありますので、数ヶ月から1年はもちろん、古酒などの熟成酒での長期間の保存に適しております。
味わいの変化は比較的緩やかで、数ヶ月寝かせるだけで、味にまろやかさや深みが増す特徴があります。
ただし、日本酒は以下の3つのポイントを押さえないと、すぐに劣化してしまう可能性が高いので注意が必要なのです!
日本酒は温度の影響を受けやすい醸造酒に属するアルコール飲料です。
生酒の場合は、氷温から10度以下で保管した方が良いと言われています。
さらにその温度で管理しても、緩やかに変化していくのが生酒ですので、製造年月日から半年くらいを目処にお召し上がり頂くのが、美味しく飲むコツです。
(ただ、1年くらい冷蔵でうまく保管すれば、トロリとしたような口当たりが楽しめる熟成タイプの生酒も楽しめます)
生酒に比べ、温度管理がシビアではないのが火入れ酒です。
常温管理は可能ですが、味わいの変化の速度を遅らせるため、冷蔵で管理した方が良いと思います。
特に夏場は、常温のお部屋でも30度以上の気温になる場合があるので、20度以下、出来れば15度以下で保管した方がよりベターです。
目安としては20度以下なら半年くらい、15度以下なら半年から1年くらいは十分美味しく頂けますが、次のコツである「その2」も大事な条件となります。
日本酒は茶色や緑色などの瓶に入っておりますが、これは光の影響を避けるためです。
しかし、茶や緑といった着色瓶に入れただけでは完全とは言えません。
絶対に避けた方が良いのが直射日光です。
特に夏場の直射日光は温度への影響を与えることはもちろんですが、数時間で「日光臭」と呼ばれる特有の香りが付いてしまう可能性があります。
また紫外線を発する蛍光灯などの光の下でも、長期間おいたままにすると着色などの恐れがありますので、
完全を期すならば暗い場所、しかも低温である「冷暗所」と呼ばれる場所が適しております。
酒屋さんなどで、瓶に直接光を当てなかったり、照明を紫外線の少ないタイプやLED灯にしたりしているお店があるのは、
光による劣化を出来るだけ防ぐためです。
日本酒をはじめとする醸造酒は、空気に触れると、隠れている香りが顔を出します。
ワインなどでもソムリエがグラスをくるくる回してから香りを楽しむシーンを見たことがあると思いますが、あれも空気に触れさせて香りを出すためのプロセスで、格好付けているわけではありません(笑)
空気に触れることは良いのですが、空気に触れると劣化の速度も速まります。
そのため、日本酒の封を切ったら出来るだけ早めに飲むのがオススメです。
ただし、封を切っても冷蔵庫に入れれば1週間くらいは美味しく飲めますし、空気に触れた後の味の変化もあり、風味の違いをぜひ楽しんで頂きたいです。
10日以上経ってくると徐々に味わいに変化が出てきますので(飲めなくなる訳ではありません)
料理酒として、食材の雑味を無くしたり、風味を持たせたりと、役割を変えてあげるのも良いと思います。
あと、空気に触れさせる部分を少なくすれば良いので、たとえば1.8L(一升瓶)から、きれいに洗った小瓶に移して、冷蔵庫に入れるという方法を取るだけでも十分効果があります。
何十年も日本酒を寝かせた古酒も存在しますが、熟成させることを前提で醸造したり、しっかりと管理した上で美味しく飲めるお酒です。
熟成を行う目的で無ければ、上記の3つのポイントを押さえ、1年以内にお召し上がり頂くのが良いと思います。
日本の国酒とも言われる日本酒ですが、管理においては皆さん意外と適当にされるケースがあるので、ぜひしっかりと管理して日本酒を美味しく飲んで下さいね!
]]>梅と焼酎、氷砂糖などで漬け込んで出来る手作りの梅酒って
第一章 総則(課税物件)第一条 酒類には、この法律により、酒税を課する。http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S28/S28HO006.html
第二条 この法律において「酒類」とは、アルコール分一度以上の飲料(薄めてアルコール分一度以上の飲料とすることができるもの(アルコール分が九十度以上のアルコールのうち、第七条第一項の規定による酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料として当該製造免許を受けた製造場において製造するもの以外のものを除く。)又は溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいう。http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S28/S28HO006.html
【自家醸造】Q1 消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか。A しょうちゅう等に梅等を漬けて梅酒等を作る行為は、酒類と他の物品を混和し、その混和後のものが酒類であるため、新たに酒類を製造したものとみなされますが、消費者が自分で飲むために酒類(アルコール分20度以上のもので、かつ、酒税が課税済みのものに限ります。)に次の物品以外のものを混和する場合には、例外的に製造行為としないこととしています。また、この規定は、消費者が自ら飲むための酒類についての規定であることから、この酒類を販売してはならないこととされています。1 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ2 ぶどう(やまぶどうを含みます。)3 アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす根拠法令等:酒税法第7条、第43条第11項、同法施行令第50条、同法施行規則第13条第3項国税庁HP-Q1 消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか。より引用
Q2 旅館等で自家製の梅酒を食前酒として提供することに問題はありますか。また、何か手続きは必要ですか。A1 しょうちゅう等に梅等を漬け込む行為は、原則として、酒類の製造に該当し、酒類製造免許や酒税の納税等が必要になりますが、旅館等を営む者が宿泊客等に提供するため、当該旅館で酒類に他の物品を混和する場合等、次のすべての要件を満たすときには、例外的に酒類の製造に該当しないこととし、免許や納税等が不要となる特例措置が平成20年4月30日より設けられています。なお、この特例措置は、この酒類を混和した旅館等において飲食時に宿泊客等に提供するために行う場合に限られ、例えばお土産として販売するなどの譲り渡しはできないこととされています。国税庁HP-旅館等で自家製の梅酒を食前酒として提供することに問題はありますか。また、何か手続きは必要ですか。https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/qa/06/33.htm
2 この特例措置を行う場合は、次の手続等が必要になります。(1) 開始申告書の提出新たに混和しようとする場合には、混和を開始する日の前日までに営業場の所在地を所轄する税務署長に対して「特例適用混和の開始申告書」を提出する必要があります。(2) 混和に関する記帳混和に使用した蒸留酒類の月ごとの数量を帳簿に記載する必要があります。
(3) 混和できる酒類と物品の範囲混和に使用できる「酒類」と「物品」は次のものに限られます。また、混和後、アルコール分1度以上の発酵がないものに限られます。イ 使用できる酒類・・・蒸留酒類でアルコール分が20度以上のもので、かつ、酒税が課税済のものロ 使用できる物品・・・混和が禁止されている次の物品以外のもの(イ) 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ(ロ) ぶどう(やまぶどうを含む。)(ハ) アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす(ニ) 酒類
1 消費の直前において混和した酒類を販売した場合の取扱い酒場、料理店その他の酒類を専ら自己の営業場において飲用に供することを業とする者が当該営業場以外の場所において消費されることを予知して混和した場合又は酒類の消費者が他に販売する目的で混和した場合は、消費の直前において混和したこととはならないので、法第54条《無免許製造の罪》の規定に該当し、無免許製造となるものであるから留意する。https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sake/2-18.htm
「やわらぎ水」とは、日本酒の合間に飲む水のことです。(和らぎ水とも表記します)
バーなどで、ウィスキーやスピリッツといった40度前後のアルコール度数の高いお酒をストレートなどで頂く際に提供されるチェイサーと同じものです。
胃の中のアルコール度数を下げる働きがあり、肝臓がアルコール度数を分解する際に必要とする水分を事前に補ってあげるためです。飲んだ後に飲む水よりも、飲んでいる合間に水を飲む方が良いとされています。
ただ、お酒を飲む合間に水を飲むだけで、翌朝スッキリと目覚めるなど体調が良くなる傾向があります。
飲む最中にカラダに水分を補給することで、悪酔いしにくくなり、脱水症状を防ぐという、簡単に実践できるけど、カラダにはとてもメリットのあるお水が「やわらぎ水(チェイサー)」なのです。
また、お水を合間に飲むことで、お料理とお酒を楽しむ際に、口の中をある程度リセットしてくれるので、お料理やお酒それぞれの味をさらに引き立たせてくれる役割もあると思います。
水道水でももちろんOKですが、市販の天然水(ミネラルウォーター)がオススメです。さらにこだわる方は、日本酒の仕込み水などにする方もいらっしゃいます。
酔って火照ったカラダには、氷を浮かべたお水が美味しく感じます。
ウィスキー、スピリッツ、リキュールなどは一般的にアルコールが高めで知られておりますが、日本酒も意外とアルコール度数が高めです。
以下一般的なアルコール度数をまとめます。
少量でもお酒を飲む合間にお水を飲むことで、翌朝の目覚めが違います(体験済み)
しかし、自分のカラダの許容量を超える深酒は、やわらぎ水を飲んでも追いつきませんので、ほどほどにお酒を楽しむのが一番です!(これも、体験済みw)
飲み会の席で、途中に水をオーダーすると「えー!」っと言われることがありますが、悪酔いしないスマートな飲み方として、皆さんにもぜひ広めてくださいね。
]]>日本酒造りの原料である酒造好適米(酒米)は、お盆過ぎより早生品種のお米から収穫が始まります。
その酒米のどのくらいの量で日本酒が出来上るか、ご存じでしょうか?
日本酒造りの主な原料は、米と水です。玄米を精米し、醪(もろみ)を造り(醗酵(はっこう))、それを絞って清酒となりますが、溶けきれなかった米=酒粕となります。
実際は最低でも600kg程度の白米を使用して仕込むのですが、例として1㎏の玄米、60%精米歩合の純米酒が出来る量を計算してみます。
まず、1kgの玄米を60%の精米(40%削る)と600gの白米となります。
一般的な日本酒造りでは、米1に対して1.3倍の水を使用しますので、600g+780mlの水=1,400mlの醪(もろみ)になります。
醪(もろみ)は徐々に溶けて、約1ヶ月かけて醗酵(はっこう)が進むと、アルコール度数18%前後の醪(もろみ)が出来上ります。これを絞る(上槽(じょうそう))と、白米の約3割が酒粕となるので、1,200mlほどの日本酒(清酒)が出来上ります。
原酒ならそのままで良いですが、一般的な日本酒はアルコール度数15.5%ですので、15.5%まで割水調整をすると1,380ml(およそ7.7合=0.77升)の日本酒が出来上ります。
以上の結果から単純計算すると、1升瓶(1,800ml)の清酒を造るには、約1.3kgの玄米が必要になるということになります。
ただ、これはあくまで計算の中での話であり、高級酒の大吟醸酒などになると、より精米歩合を高めるため米の外側を削るので、結果使用する玄米量が増えます。
また、吟醸造りでは醪(もろみ)をじっくりと低温で長期醗酵(はっこう)させるため、酒粕になる割合が高くなり、結果その分の玄米がより多く必要となるそうです。
以上を踏まえますと、高級酒はより玄米を必要とするのがお分かり頂けるかと思います。
なぜ大吟醸酒は高いのか?という問いの答えは、玄米の使用量が1番大きく価格に影響から、ということですね。
]]>多くの日本酒は、秋に収穫されたお米で、冬から春先にかけて仕込まれたものですが、年間を通して酒造りを行う「四季醸造(しきじょうぞう)」という酒造りがあります。
四季醸造の説明の前に、なぜ日本酒は冬を中心に造られるのか?というと、秋にお米が獲れ、そのあとの季節である冬に酒造りが始まるというのもありますが、何よりは外気温の要素が一番の理由です。
暖かいと雑菌が繁殖したり、醸造中の醪(もろみ)は熱を発し、温度管理の都合で寒い季節の方が、温度をコントロールしやすいという点に優れます。
また、人材確保という観点からも冬の酒造りではメリットがあり、農閑期だと出稼ぎなどの労働力を確保しやすかった点が挙げられます。
さて、四季醸造についてですが、文字通り「春夏秋冬」酒造りを行うことであり、これは近年大手の蔵元で行われることが多くなってきました。
四季醸造を可能にしたのは、空調設備です。外気温に影響されない低温の温度管理が出来れば、冬の寒い時期と同じような酒造り、酒米の管理が可能です。
ちなみに、四季醸造はもともと各季節ごとに合わせた酒造りのことを言っていた時代もあるようですが、今は空調設備の整った蔵元で年中酒造りが行われることを指します。
四季醸造で近年有名なのは山口県岩国市にある旭酒造さんの「獺祭(だっさい)」で、常に新酒が市場に出回るようなイメージですが、逆を言うと春夏秋冬のそれぞれの時期に限定で発売される「旬」の味わいを感じにくいという点があるかもしれません。
どちらが良いかという話ではなく、そういった日本酒の製造方法において変化があるのが、近年の酒造りです。
大きなタンクを使用して一度にたくさん造るのではなく、小さなタンクを数多く用意し(獺祭の蔵元では200個~のタンクがあるそうです)、毎日分析をかけながら酒造りが行われています。
市場の需要に合わせて酒造りの量を変えたり、新商品の投入も早くできる可能性があります。
冬場にしか酒造りを行わない蔵と比べ、毎日酒造りが行われるので、普通の蔵元が1年間に仕込む回数を数ヶ月でその回数を行えるそうです。
つまり四季醸造の場合、年間の酒造りの回数が普通の酒造りよりもはるかに多くなるので、蔵人のスキルアップが早く、品質も通年で高品位レベルを保つ事ができるそうです。
2016年秋に実際に旭酒造さんを見学させて頂きましたが、これからの時代は四季醸造のメリットが活きてくる時代になるような予感がしております。
]]>「どぶろく」と「にごり酒」、見た目は全く同じように見えますが、明確な違いがあるんです。
意外とその違いを知らず混同されている方も多いので、どう違うのか?押さえていきましょう。
米こうじに、蒸した米、水と酵母を加えて醗酵(はっこう)させると、醪(もろみ)と呼ばれる米の粒が残り白濁した液体ができます。
この醪のままの状態がいわゆる「どぶろく」になり、日本酒の原点でもあります。
この醪を搾る(こす)と、原酒と酒粕に分かれます。
搾る(こす)際には、網や布が用いられますが、網目や布目の粗さの区分は別として、この搾る作業を専門用語で「上槽(じょうそう)」と言います。
この上槽を行った酒(原酒)を「にごり酒」と呼ぶことができ、酒税法上は清酒になります。
つまりは、搾るか、搾らないか(こすか、こさないか)が、どぶろくと、にごり酒(清酒)の分かれ目となります。
例えば、表のラベルで「どぶろく」と書いてあっても、裏側のラベルに「清酒」と書かれていれば、厳密に言うとそのお酒は「にごり酒」になります。
にごり酒でも、米の粒が多く残るタイプがあります。
これは目の粗い網または布で搾ったお酒で、どぶろくの風味をより残した味わいになります。
では、なぜ「搾る(こす)」作業を行うのでしょうか?
醪は醗酵により誕生します。
その醪の中には酵母が活きた状態で存在します。
この酵母の活動は次第に収束しますが、醪が出来上った時点ではまだ活性化しており、
そのままの状態ですと、酒質が悪くなったりする可能性が高まります。
それを防ぐために搾る(こす)作業が行われるのです。
ただ、搾った直後の原酒(生原酒)にも、もちろん酵母が活きた状態で存在しているので、長期保管には不向きです。
そのため、日本酒造りでは必要に応じて、おり引きやろ過、火入れ(熱処理)といった作業をその後の行程で行います。
これまでの話でいくと、一般の方も材料さえ揃えばどぶろく造りが出来そうな気がしますよね。
米と水があれば、自然界に存在する酵母でも醗酵は可能です。(出来上る酒の味は別として)
そこで、自分でもどぶろく造りをしてみたい!と思う方がいらっしゃると思うので、ここでしっかりと言います。
どぶろくをご家庭などで造ると酒税法違反になり、罰せられる可能性があります!
自分用だから良い、人にあげなければ大丈夫という声を聞いたこともありますが、
どちらもダメ、どぶろくの醸造免許が無い状態でどぶろく造り行うのは禁じられていますので、ご注意を。
免許が無いのに酒造りをするのは御法度なのです
どぶろくは密造酒の代名詞のように言われますが、実は古来より神事と密接な関係にありました。
岐阜県の飛騨にある白川郷にある神社では、どぶろくを用いた神事が行われ、例外的に醸造が認められているそうです。
そして同地域では、毎年秋にどぶろく祭が行われ、五穀豊穣などを祈願した後、神が宿るお酒として振る舞われるそうです。
また、近年では「どぶろく特区」と呼ばれる特定の地域で、小規模な醸造を経て飲用や販売を許可されるようにもなり、
地域振興の一つの魅力としてどぶろくが提供されております。
まさか!酒店の実店舗がある新潟県上越市にもそのどぶろく特区があり、
地域の方々に田舎の酒として愛されております。
生まれたての酒らしく、荒々しさと素朴さを兼ねそなえた味わいで、最初は抵抗があっても、次第にそのうまさにハマる方が多いです。
ただ、アルコール度数も高めなので、飲み過ぎると翌日に支障をきたすのでご注意ください。
火入れという熱処理を行わない生のどぶろくは、酵母が多く残る状態であるため製造から1ヶ月程度で飲んだ方が良く、
火入れを行った商品であれば、冷蔵で1年くらいは十分持ちます。
どぶろくもお酒のジャンルの一つとして楽しんで頂けたらと思います。
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