日本酒を仕込む際の水が「軟水」と「硬水」とでは、どう違うのか?

日本酒を仕込む際の水が「軟水」と「硬水」とでは、どう違うのか?

目次

日本酒造りには良質な水を多く必要とします。

日本では大きく分けて「軟水」と「硬水」の地域があり、その水質によって酒造りにどう影響するのか?今回はお伝えします。

 

■軟水では?

まず、当店のある新潟の蔵元で使用する仕込み水はほとんどが「軟水」です。

これは雪どけ水由来の水を使用しているためで、ミネラル分が比較的少ないのが特徴です。

軟水を使用した酒造りでは、醗酵(はっこう)が緩やかに進む特性があり、醗酵中の温度管理を中心に、醗酵が停滞しないように高度な技術が必要とされます。

なお、軟水で仕込んだお酒は軽く、なめらかでスッキリとした味になる傾向があります。

醗酵中の日本酒 

■硬水では?

一方で関西を中心とした地域の蔵元では、硬水を使用する蔵元があります。

硬水は軟水での仕込みに比べ醗酵(はっこう)が盛んに進むため、醸造の失敗が少ないとされます。

お酒の味わいは、やや味のあるタイプとなり、別名「灘(なだ)の男酒」と呼ばれたりします。

それに対し、中硬水を使用する伏見地区のお酒は「伏見の女酒」と言われているそうです。

 

■日本酒成分の8割はなんと「水」

日本酒の約8割は水分ですので、お酒の味は水で決まる部分が多いのかもしれません。

ちなみに日本酒を作る際は、製造する日本酒の量に対して、総量で20~30倍ほどの水が必要とっされております。

食品などの製造でも水は多く使用されておりますが、水質基準は最低でも水道水の基準を守る必要があるなか、醸造用水はさらに厳しい基準をクリアしなければ、仕込み水として使用することが出来ません。

 

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