清酒Mについて
20数年前、弁護士の卵が、最高裁判所長官から呼び出され、首相直属のシークレット・エージェントに任命されます。
コード・ネームは、M。
時が流れたある日、Mは、首相から、「清酒を支援せよ」とのミッションを命じられます。
Mは、ミッションを、「清酒消費量の減少傾向の改善」と解釈。
原因は、食の崩壊、家族・家庭の崩壊、共働きの増加による弊害、人間関係の希薄化、景気の悪化等によるものと分析します。
Mは、食育、地域振興、清酒の普及等を目的として、自ら、清酒をプロデュースすることを決意。
顧問先の酒蔵とシークレット・エージェントQの協力を受け、柿崎の米と名水を使用した、淡麗辛口で、食事に合う清酒を生み出します。 その清酒は、首相から「M」と命名され、外交に一役買う。
...というものです。
このストーリーを記した、小説「M」についても、機会があれば公表させて頂きます。
清酒Mには、このストーリーの原因解決と目的に向けられた、私の情熱が込められています。
日本海に程近い尾神岳の中腹に位置し、空気が澄み、緑豊かな、上越市柿崎区東横山集落に、こんこんと湧き出る「大出口泉水」。
この泉水を引く棚田には、寒暖差が大きく、素晴らしい米が収穫できます。
この棚田で育った山田錦を酒米とし、母なる泉水を仕込み水に使用して、愛情を込めて、醸しました。
清酒Mは、優しく、奥ゆかしく、食事を引き立て、すっと身体に同化して、飲み飽きない酒質を目指しました。
食事とともに、ゆっくりと、ご賞味頂ければ、幸いです。
このような機会を与えてくださった、頚城酒造の皆さん、柿崎を食べる会の皆さん、東横山集落の皆さんに、心から感謝申し上げます。
なお、売上の一部は、頚城酒造から、東横山集落(もしくは「中山間地保全団体」)に寄付をさせて頂きます。
私は、一切利益をいただきません。
近い将来、清酒が見直される日が来ることを、心から願っています。
松岡立行
※ストーリーはフィクションです。
※ストーリー中に登場する役職・機関・人物・団体等は、実際の役職・機関・人物・団体等とは、一切関係がありません。
■新潟県上越市柿崎区と大出口泉水について
海にも山にも恵まれた自然豊かな地で造られるお酒
日本三大薬師の一つとして数えられる霊峰米山のふもとに位置し、 日本海の恵みも豊かな新潟県上越市の北部に柿崎区に頚城(くびき)酒造はございます。
西は日本海、東は米山山麓と車なら約1時間で海と山の行き来ができる非常に自然に恵まれた地です。
山間地域には平成の名水百選に選ばれた「大出口(おおでぐち)泉水」があり、 水質は新潟の湧水らしい「軟水」で、米作り、酒造りに使用される水に非常に恵まれた地域です。
▼大出口泉水について 緑豊かな尾神岳の中腹にあり、豊富な水が一年を通して枯れることなく湧き出る名水です。
一日に約 4,000トンも湧き出る水は硬度23度で水温は約8度に保たれています。平成20年に環境省による「平成の名水百選」に選ばれました。
また、新潟県の「輝く名水」にも選ばれています。
■清酒Mはこうして生まれました
2012年からスタートした柿崎名水農醸プロジェクトにおいて、 平成の名水百選「大出口泉水(おおでぐちせんすい)」が農業用水として活用される 新潟県上越市東横山地区に広がる棚田での酒米作りで、 地元の若手農家の有志グループ「柿崎を食べる会」とともに、松岡立行氏はこの地域にある名水という宝に注目し、 一緒に田植え・稲刈り・酒造りに協力してきました。
地域衰退の危機と隣り合わせである中山間地域の東横山地区に、酒米作りを通じて、人の輪(和)と希望を出したいと願う1人でありました。
そのプロジェクトも今年で6年目を迎え、2017年に自らの想いを日本酒で表現した「清酒M」が誕生しました。
そう、清酒Mは、松岡氏の大出口泉水のある地域を守りたい想いから生まれた、柿崎名水農醸プロジェクトのアナザーストーリーなのです。
■酒造好適米(酒米)山田錦の田植え
清酒Mの原料米は、酒米(酒造好適米)の王様として知られる山田錦です。
お酒にするとふくらみのある味わいになる酒米として、全国各地の蔵元では高級酒を中心に使用されております。
大出口泉水付近にある棚田には湧き水が引き込まれ、米作りとしてはやや冷たい農業用水のようです。
水が冷たい地域のお米は美味しいと言われておりますが、冷た過ぎると収量が減る傾向にあり、 また棚田という田んぼでは農業機械も入れにくいという米作りの難しさがあります。
地元若手農家の集まりである柿崎を食べる会では、この中山間地域での米作りにチャレンジし、 地域の活性化と大出口泉水周辺の環境整備を目的に柿崎名水農醸プロジェクトが2012年にスタートしました。
お酒の販売した額の一部はこの地域の水質保全活動に寄付されております。
■酒造好適米(酒米)山田錦の稲刈り
平野での稲刈りが一段落した10月中旬に酒米・山田錦の稲刈りが行われました。
この日は秋晴れの青空も広がりましたが、棚田特有のぬかるみに、手作業での稲刈りはまるで田植えの時のように足が抜けません。
稲刈り用の農業機械であるコンバインでも一部刈り取りを行いましたが、ぬかるみに苦労しました。
手刈りした酒米はコンバインでその場で脱穀され、一日の作業を終えました。
下界に広がる日本海には夕日が映りこみ、稲刈り作業のメンバーは作業を終えた余韻に浸っていました。
■収穫した酒米・山田錦を使い酒造りを行う
2月中旬、海沿いの地域ある頚城酒造の外では寒風が吹き荒れ、蔵の中も体感温度は氷点下に近い状態のなか、 清酒Mの酒造りがスタートしました。
いわゆる寒造りと呼ばれる寒い時期に日本酒を仕込む新潟ならではの酒造りです。
頚城酒造・杜氏の山田 晃さん指導のもと、プロデューサーの松岡立行氏が酒造りに参加しました。
醗酵も順調に進み、3月下旬にはお酒が搾られ、清酒Mが誕生しました。
一部は生酒のまま4月下旬に発売されますが、2017年秋発売に向け、頚城酒造が導入した自動瓶燗火入れ冷却装置を使用した、火入れ熟成タイプも発売予定です。
⇒2017年10月 熟成タイプが発売となりました。
店長のポイント
店長
Mのプロデューサーである松岡立行氏の趣味と熱い情熱が具現化されたパッケージが印象的な商品です。
通常は紙などでラベルが貼付けられますが、デザインや品質表示が瓶に直接プリントされたパッケージで、 雫酒タイプの商品には、金属加工で世界的に有名な新潟・燕の技術が施されたこだわりの銅製チャームがかけられております。
銅製のチャームは雫酒を意味する英語「フリー・ラン」の頭文字「F」をベースに、エージェントが非常時に使用する銃が模してあるこだわりの仕様です。
一般公開はされておりませんが、清酒M誕生の背景には松岡氏自ら執筆した「小説M」があり、 自身の趣味と日本酒業界への想いが込められたミステリー小説仕立てになっております。
私はこちらを読ませて頂きました。今後、その小説が一般公開されるかもしれませんが、個人的にかなり面白い小説だと思います。
⇒2017年10月についに「小説M」書籍化されました!
発売直前の2017年4月中旬に、一足お先に試飲させて頂きました。
瓶にデザインされたスタイリッシュなイメージを持ちつつ、清酒の本来の役割である食事と合う、やさしさとふくよかさ、そして飲み飽きしない味わいに仕上がっております。
雫生酒は、日本酒の贅沢な搾り方法の1つで、圧力をかけずに、滴り落ちる文字通りお酒の雫を集めました。ピュアで、フレッシュな香味が特徴です。
もう一つの生酒は、適度な力をかけて搾られた、程良いうまみと、比較的落ち着き(安心感)のある香味が特徴です。
雫酒の方に人気が集中しがちですが、私としてはどちらのタイプも甲乙つけがたく、飲み比べて頂けたらそれぞれの良さを実感して頂けるはず、と思っております。
2017年秋 追記:
半年間、低温熟成された商品が発売となりました。どちらのタイプも円熟したやわらかさ・丸みを帯びた味わいに変化し、 より清酒Mの良さを感じて頂けるはずです。
なお、秋より「小説M」「オリジナルTシャツ」「オリジナル手提げ袋」が発売となりました。
私も2012年のスタート当初から、この地域での活動に一緒に参加しておりますが、今回の松岡氏の情熱を皆さんにもぜひお伝えしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。