数々の賞を受賞中のオホロジンが造られるニセコ蒸留所に行ってきました!(その3:ニセコ蒸留所・ウィスキーの製造と貯蔵)

数々の賞を受賞中のオホロジンが造られるニセコ蒸留所に行ってきました!(その3:ニセコ蒸留所・ウィスキーの製造と貯蔵)

目次

2024年9月18日に訪れたニセコ蒸留所の訪問記その3です。

パート2⇒ニセコ蒸留所・ジンの製造

 

※ここから先の視察内容は、一般の方の有料見学コースでは見せて頂けない特別な対応をして頂いている可能性がございます。あらかじめご了承ください。

ジンの製造視察に続いては、ここの蒸留所の大本命であるウィスキー造りについて見学させて頂きました。

ウィスキーの原料「麦」
貯蔵庫には、輸入された大麦が保管されていました。
これを下処理して、麦芽から麦汁を造り糖化させます。
ちなみにこの袋1つで、1トンの重さがあるそうです。
糖化を行うタンク
糖化の行程は、酵母のエサとなる糖を作ることが目的です。
上の写真の右側にある円柱形のタンクで、その糖化行程が行われます。
糖化の次は、酵母を添加して、醗酵(発酵)に進みます
糖化行程が終わると、今度は酵母を添加して醗酵(発酵)行程へと進みます。
醗酵を終えると、大体アルコール8%くらいになるそうです。
ちなみにココまでの行程はビール製造とほぼ同じ。
ビールの場合は、ポップなどを入れて醗酵させます。
通常だとステンレスタンクなどを使って醗酵することが多いようですが、こちらのニセコ蒸留所では木製の樽を使用しています。
この時点では3つの木製樽で醗酵が行われていました。
なぜ木製樽を使うのか。それはココの蒸留所のこだわり、個性を出すためだそうです。
樽の種類や、どこの産地のものか、そして樽への加工はどこで行ったのか。。。それらを聞いたような気がするのですが、忘れてしまいした、ごめんなさい。
それから、日本酒との違いにも気付きます。
それは糖化と醗酵の行程が明確に分かれていることです。
日本酒は、糖化と醗酵の行程を同じ段階で並行しておこないます。これを並行複発酵(へいこうふくはっこう)といいます。
同時にやるということは醗酵の管理も難しさがあり、手間もかかります。ただその代わり、醸造段階でアルコール度数17%前後のお酒が造れるのです。
さて、この後は蒸留酒らしい行程。蒸留へと進みます。
ポットスチル バルジ型とストレートヘッド型
左右のポットスチル(蒸留器)のカタチが違うことに気付かれましたか?
左がバルジ型、右がストレートヘッド型と言うそうです。
蒸留で得られる味わいが異なるそうで、目指す味わいごとに使い分けるのだそうです。
また、くちばしに似た部分の形状にも注目なんだそうです。
太かったり、細かったり。そして上を向いていたり、下を向いていたりと、その蒸留所が目指す味わいの特徴がココからも分かるそうなんです。
私はそれらのお話をしっかり聞いていたつもりですが…どの形状や角度が、どんな味に結びつくのか、こちらを忘れてしまいました。ごめんなさい。
詳しく解説をされているサイトがありましたので、ご参考にどうぞ。
「もしライパイプが上向きの角度なら、リッチな風味成分を含む蒸気が液化されたときに、パイプを伝ってポットスチルの中に戻っていくことになります。こうなると、軽い風味成分がより高い割合でコンデンサーにまで行き着くことになり、よりエレガントな特徴を持ったスピリッツがつくられます。もしライパイプが下向きなら、液化された成分はそのまま先へ進むため、リッチな風味成分がより高い割合でコンデンサーにまで行き着いて、より濃厚な特徴を持ったスピリッツがつくられるのです。水平なライパイプは、そのちょうど中間の効果を持っているといえるでしょう。ライパイプの角度が与える影響は甚大なものではありませんが、それでも風味を左右する重要な要素のひとつなのです」

角度で変わる、ライパイプの役割

 

 

続いて見せて頂いたのは、蒸留棟の隣にあるウィスキーの貯蔵庫です。
貯蔵中のウィスキー樽
入った瞬間、ウィスキーの香りが充満していることが分かります。
モルト(麦)の香りですね。
ニセコは冷涼な地であるため、熟成に時間が掛かる傾向があるとのこと。
それなので、この蒸留所がスタートしてからまだ4年であり、あと数年は寝かせる必要があるとの判断をしているそうです。
ちなみに、ここに入った瞬間の香りの正体はウィスキーが蒸発した気体です。
ウィスキー樽を通して揮発しちゃうんですよね。これを天使の分け前(Angel's share)と言います。
貯蔵する樽も様々
貯蔵に使用される樽も様々あり、バーボンやシェリーを一度貯蔵した中古樽もあります。これらは香り付けの為に使用されます。
新樽も多く、大きいものでは500リットル入るそうです。
その500リットルが、大体1回の蒸留で得られるウィスキーの原酒の量なんだそうです。
蒸留仕立てのウィスキー「ニューポット」
貯蔵棟から蒸留棟に戻りましたら、なんと蒸留仕立てのウィスキーが準備されていました。
これを「ニューポット」と言うそうです。
ニューポットは無色透明な、貯蔵する前のウィスキー。普通は味わえないものです。
テイスティンググラスに鼻を近づけると、普通にウィスキーの香りがします。
この日のニューポットは、ピート(泥炭)の香りを付けたタイプなんだそうです。
ピートの特徴であるスモーキー・フレーバーが、透明な液体から漂いますが、少量の水を垂らすことで、その香りが更に際立つと言うことで試してみました。
確かに香りが立ち、分かりやすくなります。
魚沼ウィスキーをハイボールで頂く
製造現場を見せて頂いた後は、魚沼ウィスキーのハイボールを頂きました。
中がそこそこ暑いので、ハイボールがうまい!
氷も、グラスも、バーで飲むようなこだわりが感じられ、流石と思いました。
魚沼ウィスキー(現時点で非売品)
こちらが「魚沼ウィスキー
八海山がある新潟県南魚沼市で造られた、米と麦を原料としたオリジナルウィスキーです。たしか米9:麦1の割合で造られたと聞きました。
ただ、こちらは現在まだ販売されていないウィスキーでして。
2024年の春に登場と言われていましたが、まだもう少し寝かせた方が良いという判断により、一般販売はされていません。
それをいち早く味わえたのも良い機会でした。(ここでは有料で飲めますよ)
ニセコの方(うろ覚えです)が、空き瓶を活用して作られたそうです。
下から当たるLEDの光で輝いて良い感じです♪
ヤチヤナギとニホンハッカのボタニカル
オホロジン スタンダードに使われているボタニカル、ヤチヤナギニホンハッカが、バーカウンターに置かれていました。
どちらもニセコ産で、ワインで言うテロワールを意識したジンであることが感じられます。
ヤチヤナギの香りは、そうですね…森の中で感じることのある香りというか、ウッディー系などと似た香りがするように思いますが、表現が難しい。。。
ニセコ蒸留所の内部を見上げて
ニセコ蒸留所の中は、ご覧のようにすぐそばにポットスチルがあるので、蒸留中は結構熱を感じます。
夏は暑いそうですが、冬はこの蒸留の熱で心地よい、逆に蒸留がない日は寒くて大変だとか^^;
有料見学しなくても、ここは普通に入れます。
新潟の特産品でもある、燕や三条エリアの品物も並び、外国から来られた方々に好評の様ですよ。
小一時間滞在し、魚沼ウィスキーのハイボールも効いてきたのでほろ酔いです(笑)
この後は、てくてくと来た道を歩いて帰ります。
山の中で飲んで歩いて帰るって不思議な体験でした(笑)
ニセコ蒸留所で対応して頂いた皆様、どうもありがとうございました。
大変勉強になりましたし、販売する際のトークにも厚みを持たせられます。

ウィスキーは発売までまだまだ先ですが、オホロジンや、このニセコで収穫された「彗星」を使用した八海山の日本酒は当店で販売中です。

ニセコ蒸留所 オホロ ジン(スタンダード)

ニセコ蒸留所 オホロ ジン(スタンダード)

八海山が北海道ニセコに建造したニセコ蒸留所で造られたクラフトジンです。
ジンの主体であるジュニパーベリーの香り、揮発性のある爽やかな木の香りなどを感じます。
10数種の北海道自然由来のボタニカルを中心に使用しており、和の素材を使用しているせいか、和食とも合わせやすいと感じます。

個人的には、ソーダ割りで、柑橘類(できたら柚子)を軽くおろして風味付けした飲み方が好きです。

 

ニセコ蝦夷富士 純米大吟醸

ニセコ蝦夷富士 純米大吟醸

北海道の酒米「彗星」を使用し、新潟の八海山で 醸造されたお酒。彗星の特性である”淡麗さ”を 活かせるのは八海山ならではと感じます。

華やかなりんご系の果実香、酒質はキレイでスッキリとした中にも、 甘みのあるやわらかさを感じるエレガントな味わいです。

 

 

 

 


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