寒風の中、柿崎の地へ。今年も「八恵久比岐 風」の直汲みへ行ってきました!
2026年1月8日(木)、寒風が吹き荒れる中、上越市柿崎区にある「頚城酒造」さんにお邪魔してきました。
目的は、毎年恒例となっている「八恵久比岐(はっけいくびき) 風」の直汲み作業です。
当店のある上越市三和区から柿崎区までは、車で約30分、距離にして20km足らず。しかし、到着してビックリ!三和では元日から2日にかけての大雪で50cm以上の積雪があるのに、柿崎には雪がほとんどありません。
「海沿いは雪が少ない」とは言いますが、同じ市内でもこれほど違うものかと驚くばかりです。

入り口には立派な杉玉。昔ながらの趣がある、いつ訪れても素敵な蔵元さんです。
蔵に広がる「蒸きょう」の香りと、日本酒の「境界線」
蔵に入ると、まず目に飛び込んでくるのが酒米を蒸している「蒸きょう(じょうきょう)」の風景です。
日本酒のお米は、炊くのではなく「蒸す」のが基本。個人的におこわなどの蒸しご飯が大好きなので、この甘い香りを嗅ぐだけで「美味しそう!」と食欲がそそられてしまいます(笑)。
さて、今回も朝から上槽(じょうそう)されたばかりの「風」純米大吟醸を瓶詰めしていきます。
「上槽」とは、お酒を搾る作業のこと。酒税法上ではここで「濾す(こす)」ことで、いわゆる「もろみ」から「清酒(日本酒)」へと変わる、非常に重要なプロセスです。
このプロジェクトの醍醐味は、搾りたてを「約1時間以内に」、我々酒店の店主が自ら手作業で瓶に詰めること。 「出来たての最高の味わいを、そのまま皆様に届けたい」という熱い想いが詰まっています。
手作業のこだわり。美味さの裏には「スクワット」あり!?
まずは、お酒が搾られている現場へ向かいます。 通称「ヤブタ」と呼ばれる搾り機から、白くトロトロの醪(もろみ)が圧力をかけられ、透明なお酒となってチョロチョロと流れ出てきます。これを容器に移し、作業場へ運びます。
現場では、「岸田米」の農家の岸田さんが「蔵人」として働いておられました。 夏は米を育て、冬は酒を醸す。この雪国で古くから続く、今でいう「スポットワーク」のような伝統的な働き方が今も息づいています。

作業場には、汲み上げ用の道具と空の瓶、そして容量を確認するためのサンプルが並びます。機械は一切使わず、すべて人の手で進めていきます。
今回は急な日程変更もあり、例年より少人数の酒屋仲間での作業となりましたが、そこは手慣れたメンバー。自分の注文分はもちろん、仲間の分まで一丸となって進めます。


ここで一番気を使うのが「液面の高さ(入り味線)」を合わせること。 1.8L、720mlときっちり容量を守るため、サンプル瓶と見比べながら一本ずつ確認します。

実はこれ、後から「太もも」に効いてくるんです(笑)。 一番正確に液面を見るには、目の高さを水平にするのが一番。つまり、一本詰めるごとに「しゃがむ」必要があるのです。この徹底した「スクワット作業」が、品質を支えています。

杜氏との交流と、蔵ならではの楽しみ
作業中、吉崎杜氏自らがお酒を運んできてくださいました! 同年代ということもあり、冗談を交えながら楽しく作業。気さくな交流もこのイベントの大切なひと時です。
お昼頃に無事作業が終了。 昼食の前に、少しだけ蔵人の皆さんの作業を見学させていただきました。

写真は「櫂入れ(かいいれ)」という作業。蒸したての酒米をタンクに入れた直後、温度を見ながら丁寧に混ぜていきます。
そしてお楽しみの昼食は、八木社長宅の「八木家のお雑煮」!
同じ上越地域でも、家庭によって具材や味付けが違うので新鮮です。県外出身の奥様が「お雑煮がどんぶりで出てくることに驚いた」とおっしゃっていましたが、確かにこれもこの地域の文化かもしれませんね。 箸休めの「きくらげ入りかまぼこ」やお漬物も絶品で、心もお腹も満たされました。

集中力の「ラベル貼り」。そして待望の試飲へ
午後は「ラベル貼り」。これもすべて手作業です。 特に「八恵久比岐」シリーズは短冊形のラベルで、位置を合わせるのが本当に難しい……!

もしお手元に届いた瓶のラベルが少しだけ曲がっていたら……それは私の仕業かもしれません(笑)。愛嬌だと思ってご容赦ください!

夕方前にすべての作業を終え、お土産に「今日搾ったばかりの1本」をいただいて帰路につきました。
【試飲レポート】進化した「麹造り」がもたらす洗練の味わい
その日の夕食。さっそく家族と「搾りたて」をいただきました。 一口飲んだ父が、珍しくボソッと一言。「うまい。」

続いて私もワイングラスで一口。
- 香り: 洋梨のようなエレガントで華やかな香り。
- 味わい: 生原酒特有の「重さ」がなく、驚くほどスッと喉を通ります。
- 後味: スッキリ感の中に程よい旨味があり、キレも抜群。
例年よりも渋味や酸味が穏やかで、非常に洗練された印象を受けました。 これは今年からブラッシュアップした「麹造り」の成果だそうです。雑味を感じさせない、まさに「進化した味わい」です。
アルコール度数16度を感じさせない飲み口の良さに、一日の疲れも相まって、すっかり心地よく酔っ払ってしまいました。
1月10日より販売開始!
この「出来たての感動」をすぐにお届けしたくて、自分が作業したお酒はすべてその日のうちに店に持ち帰ってきました!
今年は例年の720mlに加え、少量ですが1.8Lサイズもご用意しました。 「720mlだとすぐ無くなっちゃう!」という方は、ぜひ大きいサイズをどうぞ。
手作業のため数には限りがございます。今期、頚城酒造さんが自信を持って送り出すこの味わい、ぜひお早めにご賞味ください!









