「一生、一緒に。」 地鎮祭の奉献酒に私たちが「真心」を込める理由

「一生、一緒に。」 地鎮祭の奉献酒に私たちが「真心」を込める理由

目次

こんにちは。「地酒のかじや」店主の宮崎文徳です。

家を建てるという人生の大きな節目において、欠かせない儀式が「地鎮祭」です。その祭壇の中央に供えられる二本のお酒「奉献酒(ほうけんしゅ)」をご存じでしょうか。

当店では2010年から、この奉献酒に力を入れてきました。

実は、当店の奉献酒は他店と比べると少し価格が高めかもしれません。しかし、そこには単なる「商品」としてではない、私たちが大切にしている「儀式への敬意」と「お客様への願い」を込めております。

今回は、奉献酒の歴史や文化を紐解きながら、当店のこだわりについて改めてお話ししたいと思います。

奉献酒は、神様と人を繋ぐ「最高の献上品」

日本の建築儀礼において、お酒は単なる供物ではありません。その歴史は稲作の始まりまで遡り、神聖な植物である「米」から造られるお酒は、神様へ捧げる「最高の献上品」とされてきました。

お酒には「穢れ(けがれ)を祓う(はらう)」力があると信じられています。地鎮祭で土地の四隅にお酒を撒くのは、その場を清め、神様をお招きするのにふさわしい聖域にするためです。また、儀式の最後に関係者でいただく「直会(なおらい)」には、神様と同じものを口にすることでその霊力を体に取り込み、工事の安全を願う人々の結束を固めるという、重要な意味があります。

このように、奉献酒は「目に見えない世界と現世を繋ぐ媒体」なのです。

なぜ、丁寧な包装にこだわるのか

地鎮祭でよく見られる、一升瓶を2本並べて紐で結ぶ「二本縛り」。これには、かつて神事に用いられた「角樽(つのだる)」の名残という説や、おめでたいことが重なるようにという願いが込められています。

また、「一升(いっしょう)」という言葉を「一生」や「一緒」にかけ、施主様と施工業者様が「一生、一緒に」末永い信頼関係を築けますように、という言霊(ことだま)も宿っています。

当店が他店よりも時間をかけ、丁寧に包装やのし紙を整える理由はここにあります。

奉献酒は、施主様が土地の神様へ、そして共に家を造るパートナーへ贈る「誠実さの表現」です。その大切な想いが、一目見ただけで伝わるようでなければならない。私たちはそう考えています。

機械的な作業ではなく、一つひとつの工程に「工事が無事に終わりますように」「この家で幸せな生活が送れますように」と祈りを込めてお包みしています。

オリジナル「難を酒枡(さけます)奉献酒」に込めた想い

さらに当店では、より縁起を担ぎたいという声にお応えし、オリジナルの「難を酒枡(さけます)奉献酒」を展開しています。

この「酒枡(さけます)」という言葉には、私たちの強いこだわりと願いが込められています。

古来より、建築の現場では災いや障りを除けることが何より大切にされてきました。そこで私たちは、難を転じる「南天(なんてん)」と、幸運を呼び込む「酒枡(さけます)」を掛け合わせ、「降りかかる難を、お酒の枡で食い止め、避けますように」という願いをこの名に託したのです。

また、枡(ます)という道具は、古くから「増す(ます)」にも通じる縁起物とされてきました。災難をしっかり「避け」、その上で、新居でのご家族の喜びや福がさらに「増して」いく。そんな二重の願いを込めたのが、当店のオリジナル奉献酒です。

当店車庫の地鎮祭の様子

建築という創造の場において、何かを新しく生み出すときには大きなエネルギーと、それを守る祈りが必要です。伝統を大切にしながらも、現代を生きるお客様の不安を取り除き、前向きな門出を応援したい。そんな「お守り」のような存在でありたいと願っています。

最後に

「地酒のかじや」が提供しているのは、単なる日本酒ではありません。それは、日本の伝統文化への敬意であり、お客様の大切な門出を祝う「真心」そのものです。

少しだけ手間と時間をかけた私たちの奉献酒が、皆様の地鎮祭をより豊かなものにし、素晴らしい家づくりの第一歩となることを願っております。

新潟上越の地から、皆様の弥栄(いやさか)をお祈りして。

当店の扱う奉献酒一覧はこちら

 

ブログに戻る