こんにちは。
地酒の店かじや店主・J.S.A. SAKE DIPLOMAの宮崎文徳です。
4月11日より発売を開始した当店オリジナルブランドの新商品「スノーブルー雪蒼 Beyond-1」。
おかげさまで、発売直後から大変多くのお客様に手に取っていただき、嬉しいご感想が続々と届いています。
「辛口のイメージが変わった」「スッキリしているのに香りがいい」など、私がこのお酒に惚れ込んだポイントを皆様にも共感していただけているようで、心から感謝しております。
一方で、「生原酒」という言葉を聞いて「アルコールが強くて濃いんじゃないの?」と少し構えてしまう方もいらっしゃいました。
確かに、従来の生原酒はガツンと重いものが多いのですが、このBeyond-1はアルコール度数15%の生原酒。 従来の辛くて濃いお酒とは一線を画す、とにかく飲みやすく、ピュアな軽快さを追求した仕上がりなのです。
さて、そんな中で多くのお客様から頂くのが、こんなご質問です。
「この2本、具体的にどう味わいが違うの?」
同じタンクで仕込まれた兄弟のようなお酒ですが、実は「搾り」のタイミングひとつで、驚くほどその表情を変えるのです。今回は、プロの視点で改めて2本をじっくりと飲み比べ、その違いを深掘りしてみたいと思います。

日本酒の「搾り」には3つのステージがある
まず、この2本の違いを紐解くために、日本酒の「搾り」の工程について少しお話しさせてください。
お酒は搾り始めてから終わるまでの時間経過によって、大きく3つの段階に分けられます。
① 前半:あらばしり(荒走り)
搾り始めて最初に出てくる部分です。ガス感があり、荒々しくフレッシュ。香味のインパクトが最も強く、この力強さを好むファンの方も多い部分です。
② 中間:中取り(なかどり/中汲み・中垂れ)
「あらばしり」の次に出てくる中間部分。文字通り、お酒の「核心」と言える場所です。香りと味わいのバランスが最も優れており、透明感のある(私たちが「きれい」と表現する)質感が特徴です。品評会などのコンテストに出品されるお酒は、決まってこの部分が選ばれます。
③ 後半:せめ(責め)
最後に圧力をかけて搾りきる部分です。最も濃厚で、お酒の成分が凝縮されています。若干の雑味も伴いますが、その力強い重厚感を好む方もいらっしゃいます。
Beyond-1「中取り直汲み生原酒」の魅力
まずは、緑のボトル「Beyond-1 中取り直汲み生原酒」から。
こちらは先ほど説明した②の「中取り」のみを贅沢に抽出し、空気にできるだけ触れさせず、直に瓶詰めしたタイプです。
【香り】
グラスを近づけると、非常に品のある穏やかな香りが立ち上がります。お花がふわっと開くような、気持ちがパッと軽やかになるフローラルな印象です。
【味わい】
口に含むと、スッキリとした中にもしっかりとした旨み(コク)を感じます。中盤から後半にかけては、わずかな酸味や渋みを伴いながら、シャープに鮮烈にキレていきます。
「辛口なのに辛すぎない」と感じる方が多いのは、この中盤にある豊かな旨みが、味わいに奥行きを与えてくれているからだと確信しました。
Beyond-1「生原酒」の魅力
続いて、同じく生原酒ながら「中取り」の表記がない「Beyond-1 生原酒」です。
こちらは、あらばしり・中取り・せめのすべてを分け隔てなく、タンク一本分、搾ったお酒がまるごと入ったタイプです。
【香り】
中取りタイプと同様に気品のある香りが漂いますが、こちらの方がより若干ですが穏やかで控えめ。その分、お酒が持つエレガントな質感が際立ちます。
【味わい】
中取りタイプと比べると、さらにスッキリとした印象が強くなります。中盤の旨みのボリュームが適度に抑えられている分、後半の酸味と渋みのキレがよりダイレクトに伝わってきます。
「とにかくシャープに、軽快に楽しみたい」という方には、こちらのクリアな飲み口がたまらないはずです。
従来の生原酒のような「重さ」ではなく、今のトレンドである「ピュアな飲みやすさ」をまさに体現しているのがこの一本です。
どちらを選ぶかは、あなたの直感次第
こうして改めて飲み比べてみると、搾るタイミングだけでこれほどまでに個性が分かれるのかと、私自身も「わ~、こんなに違うんだ!」と驚きを隠せませんでした。
どちらが優れているということではなく、それはもう「好みの世界」ですね。
店頭で試飲してくださるお客様の反応や、裏ラベルのQRコードから届くアンケートを拝見していても、見事に好みが分かれるのが面白いところです。
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「お酒の最も良い部分を、じっくり味わいたい」なら中取り。
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「トータルバランスの良さと、クリアなキレを楽しみたい」なら生原酒。
春の陽気から初夏へと向かうこれからの季節。キリッと冷やして、その日の気分や料理に合わせて選んでいただければ幸いです。
いずれも数量限定、在庫があるうちにお早めにどうぞ。
お店での試飲も大歓迎です。ぜひ、あなたにとっての「Beyond(超える一杯)」を見つけに来てください。
皆様のご来店と、熱いご感想を心よりお待ちしております!

