2021年4月。当店のオリジナルブランドとして産声を上げた「スノーブルー雪蒼-SNOWBLUE-」。
第一弾の「大吟醸」から始まり、おかげさまで5年。シリーズは4種類にまで成長しました。

大変ありがたいことに、今では「次はいつ出るの?」とリピートしてくださるお客様も増え、店主として「次の雪蒼はどうあるべきか」と模索する日々を送っていました。
そんな折、お店にひょっこり顔を出してくれたのが、第一弾からの大切なパートナーである頚城酒造の八木社長でした。
打ち明けた悩みと、八木社長の「あるよ!」
配達ついでに始まった、いつもの立ち話。私はつい、胸の内を打ち明けました。
「今の雪蒼シリーズは、どれも甘口寄りの味わい。でも最近は、フレッシュな生酒タイプが圧倒的に好まれるし、何より市場には甘口のお酒が溢れている。だからこそ、今までにない『洗練された、キレのある辛口』を提案したいんだよね」
そんな私の言葉を聞いて、八木社長はニヤリと笑ってこう言いました。
「あるよ!、いいのが。興味あるなら考えてみて」
八木さんはその後、蔵の仕事があるのでと戻られましたが、私の頭の中では、これまでの想いと目の前のチャンスが、点と点が一気に線に繋がるような感覚で走り始めました。
「人気の生酒タイプで、しかも理想の辛口。これなら、絶対にお客様に喜んでもらえる!」
矢継ぎ早の電話と、その夜の興奮テイスティング
そうなると、もう止まれません。一刻も早く味を確かめたくて、すぐに八木さんに電話をかけました。
「さっきの話、まずは味を知りたいからサンプル出せる?これから取りに行ってもいい?」
矢継ぎ早の質問に、八木さんは「いいよ、出せるよ」と快諾。車を走らせ30分、終業ギリギリの蔵に到着し、サンプルを預かりました。
その日の夜。期待に胸を膨らませて、家族と一緒に頂いたリアルな感想がこちらです。

「予想以上にうまい。上立ち香は控えめで大人しいけれど、含んだ瞬間に広がる香りがお花のようにフローラル。口当たりはやわらかくて、ふくらむのかな?と思った瞬間に、鋭くシャープなキレがやってくる。
生のピュア感があって、火入れにはなかなか出ない柔らかさ。最近は重たいお酒がキツく感じることもあるけれど、これは軽快で夏に向けても最高。これは……GOです!」
さらに翌日、二度目のテイスティング。日本酒は開栓後の変化が重要ですが、2日目は香りも味わいもさらにボリュームが出て、より深みが増していました。
「辛すぎなくていい、これ良いね!」と家族も大絶賛。
この瞬間、製品化への道が決定しました。

これまでを越えていく想い「Beyond」
一気に話を進め、1ヶ月後の4月11日、ついに発売に漕ぎ着けました。
名前は「Beyond-1(ビヨンドワン)」。
今ある味わいを、そして自分たちの限界をさらに越えていく。そんな決意を込めて「Beyond」と名付けました。その記念すべき一作目です。

私が感じたこのお酒をひと言で言うなら、「ソフト&シャープ」。
穏やかな花のような香りと、柔らかな口当たり。その心地よいふくらみの直後、シャープにキレる。相反する要素が共存する、今までにない軽快な仕上がりの辛口です。
15年前、あの時と同じ場所で
今回の商品は、八木社長との積み重ねてきた月日があってこそのものです。
2010年に出会い、たまたま同い年ということで意気投合。以来15年、オリジナルラベルの企画や、地域の宝である名水と棚田の酒造りなど、多くの苦楽を共にしてきました。
お酒が完成したこの日、私たちは頚城酒造さんの前で、15年前と同じ場所で写真を撮りました。

2026年4月6日 撮影

2012年6月19日 撮影
お互い少しずつ歳は取りましたが、二人の根底にある想いはあの頃と全く変わっていません。
「日本酒を通じて、楽しく商売することを忘れないでいこう」
共にそれを確認し合った、大切な瞬間でもありました。
合計60本の、超限定・特別版
今回は、同じタンクから生まれた搾り方の異なる2種類をご用意しました。
- 中取り直汲み生原酒: 搾りの中でも最も質が良いとされる「中取り」を贅沢に汲み上げました。味わいの深みと余韻を楽しみたい方に。
- 生原酒タイプ: 全体のバランスが非常に良く、ピュアでスッキリとしたクリアな飲み口。
急遽製品化したこともあり、各30本ずつ、合計60本という超限定品です。
次回の発売は、もしあるとしても来年2027年の春以降となります。

瓶詰めしてから、ちょうど味が乗り、最高の状態になってきています。
このフレッシュな「進化の味」を、ぜひ夏が終わる前にお楽しみください。
また、ラベル裏のQRコードからアンケートにもお答え頂けます。皆様の率直な感想を頂けるのを楽しみに待っています!
