こんにちは。地酒の店 かじやの店長の宮崎文徳です。
皆さんは、日本酒を選ぶときに何を大切にされていますか?
銘柄、特定名称(純米や吟醸など)、あるいはラベルのデザイン。
選び方はたくさんあると思いますが、最近、私が一番大切にしているのは、そのお酒が生まれた「風土」です。
今日は、当店から車でわずか10分。私たちが毎日眺めている景色の中から生まれる、新潟を代表する銘酒「雪中梅(せっちゅうばい)」について今回はつづります。
四季が織りなす「里山のテロワール」
「雪中梅」を造る丸山酒造場さんは、新潟県上越市の三和(さんわ)区にあります。
ここは、春夏秋冬の四季が本当にはっきりと感じられる場所。
春には雪解けとともに桜をはじめとした花々が咲き、夏には青々とした稲穂が揺れ、秋には黄金色の絨毯が広がり、冬にはすべてが深い雪に包まれます。




最近、ワインの世界でよく使われる「テロワール」という言葉があります。その土地の気候や土壌、風土が産物の個性を決めるという意味ですが、雪中梅こそまさに「里山のテロワール」を体現したお酒です。
三和の豊かな土壌で育ったお米、そして蔵の敷地内から湧き出る「超軟水」の仕込み水。
実は蔵元の入り口にも引き込まれ、ちょろちょろと水が出ていて、許可を取れば飲んでも大丈夫です。

この水がまたすごいんです。ドイツ硬度で「1未満」という驚くほどやわらかな水が、雪中梅特有の「あの優しい口当たり」を生み出しています。
杜氏・内山さんと、地元の絆
雪中梅の味を支えているのは、自然だけではありません。
現在、酒造りの指揮を執っている杜氏の内山賢一さんは、実は当店にもよく足を運んでくださる、地元・三和区にお住まいの方なんです。
「あ、内山さん、どうも!」なんて、お店で普通に会話を交わす……そんな距離感でお付き合いをさせて頂いています。
良く考えたら、蔵元の多くの方は地元民。
地元を愛し、地元の米と水を知り尽くした杜氏をはじめとした蔵人が、地元の蔵で精一杯造り上げる。この「人のぬくもり」こそが、雪中梅を飲むときに感じるホッとする安心感の正体なのかもしれません。
迷ったらこれ!自分にぴったりの「雪中梅」を見つける楽しみ
「雪中梅が甘口で美味しいのは知っているけれど、種類が多くてどれを選べばいいか迷ってしまう」
そんな初心者の方の声をよく耳にします。
また、「自分はいつも普通酒一択!」と決めているファンの方も多いでしょう。
でも、実は銘柄を変えるだけで、同じ雪中梅の中に「新しい景色」が見えてくるんです。そこで、ぜひ一度試していただきたい飲み比べセットを3つのプランでご用意しました。
1. 【基本の飲み比べ】雪中梅 2本セット(普通酒・本醸造)
「雪中梅の基本を知りたい」という方にぴったりの入門セットです。
スッキリと飲みやすい「普通酒」と、よりコクとうまみを感じる「本醸造」。
「甘口」と一口に言っても、こんなに厚みが違うんだ!という発見があるはずです。
2. 【店長おすすめ】雪中梅 3本セット(普通酒・本醸造・純米)
基本の2本に、私が個人的に一番大好きな「純米」を加えたセットです。
この純米、さわやかなバナナのような香りがして、キレもいいんです。
「雪中梅にこんなにフルーティーな一面があったなんて」と驚かれること間違いなし。食事との相性を楽しみたい方にも一押しです。
3. 【コンプリート】雪中梅 4本セット(普通酒・本醸造・純米・美守)
最後は、最高峰の純米吟醸「美守(ひだもり)」まで入った完璧なセット。
2026年、ファンの熱い声に応えて以前の「やや辛口」へと味わいが戻った美守。
伝統の甘口ラインナップの中に、凛としたキレのある美守が加わることで、雪中梅の持つ表現力の幅をすべて堪能いただけます。
おわりに
雪中梅は、無理な増産をせず、自分たちの手の届く範囲で、自分たちの守れる水を大切にして造られています。
だからこそ、飲んだときに三和の穏やかな風景が浮かんでくるような、優しい味がするのです。
「どれがいいかな?」と迷われたなら、ぜひ飲み比べてみてください。
また、いつも決まった銘柄をお召し上がりの方も、たまには隣の銘柄に浮気してみてください(笑)。
「やっぱりいつものが好きだな」と再確認するのも良し、「こっちの味も意外といいぞ!」と新しい相棒を見つけるのも良し。
三和の風土を感じながら、あなただけの最高の一杯を見つけていただけたら、地元の酒屋としてこれほど嬉しいことはありません。
里山の恵みが詰まった一本を、上越の風とともに皆様の食卓へお届けします。


